二月の本心



二月の田んぼを
霜柱が
いっそう寒くしている
雪を降らしている雲が
近づいている

歳をとって
動き辛くなってきた体は 
二月に
一番心細くなる

先の見えない米作りを
やめてしまいたい心と
百姓の魂が
無言で
にらみ合っているのだ

思案している本心とは
別の身体が
無意識に
種もみの準備を
しはじめて




   田んぼの一年へ